常盤君は、なぎの頭を優しく撫でてから仲間と共に人混みに紛れ消えてゆく。

「ナギ、ひとつ聞いていい
 トキワ君とその……?」

「うん、最近付き合ってるんだ
 
 チトセ時間ある?

 あそこで話そう」

なぎは、私のバイト先を指差す。

「あそこはちょっと!
 ねえ、あっちで話さない?」

「うん」

客層は若い女の子が大半のお洒落なカフェに入った私達は、彼女達が皆こぞって飲んでる飲み物を注文した。

「学校はどう?
 
 クミやカコは元気にしてる?」

なぎは、常盤君に言い忘れたことがあると携帯を弄りながら答える。

「うん、二人とも元気元気

 ……送信できた
 
 そうだ、チトセ

 忘れないうちに連絡先教えて?

 もちろん、二人にも会うでしょ」

ほんの少しの間だったけど、私にできた初めての友達。

大好きな紅美や実花子にはもちろん会いたい。

だけど……

返事をしないまま黙り込む私に、なぎは話を続けた。