私の元へと一目散に走って来たなぎは私の腕を掴み、もう一方の手で私の頬を思いっきり引っ叩いた。

そして、その両腕で強く私を抱きしめながら囁いた。

「戻って来たなら連絡ぐらいしなよ
 私達友達でしょう、違うの?」

友達……私の瞳に涙が溢れる。

「ううん、違わないよ

 ごめん、ナギ」

「私がいない隙に勝手に学校辞めて
 消えるだなんてアンタひどいよ

 私がどれだけ心配したか……」

なぎの涙声が、ズーンと重く胸に響いた。

「ごめん」

仲間と離れ、私達の元に来た常盤君は私にニッコリと微笑みかけてくれた。

「チトセちゃん、久しぶり
 元気そうだね」

「はい

 御卒業されたんですね」

「ああ、何とか無事にね」

「トキワ、行くぞッ!」

「待って!悪い、俺行くわ

 ナギちゃん、君は今日は帰れな」

「うん、トキワさん
 
 帰り遅くならないでね」

「ああ」