私達は、砂浜にお尻をつけて座った。

ひさぎが、少しまだ湿ってる表面の白い砂
を触るとその中から雨水を含んだ茶色い泥
が出てきた。

「泥遊びする?」

無邪気に微笑む、ひさぎ。

「えっ、うん、したいかも・・・」

「じゃあ、城でも作っちゃう?」

「うんうん、作っちゃお
 
 あっでも、今度は汚れちゃうね」

「ああ、まあ、いいじゃん」

「うん」

私達は時間を忘れて、子供のように夢中に
なって、どろどろになって遊んだ。

ひさぎなんて、砂の上に寝転がって必死で
穴を掘ってたから、ほらっ、胸元が真っ黒
に汚れちゃってる。

「フフッ」

「何、笑ってる?手、休めるな」

「は~い」

できあがった砂の城は、城とはとても呼べ
るものではなかったけど、二人にとっては
初めて共同作業で作った愛の城。