道路の脇に停めたバイクの傍で私達は
黙ったまま海を見つめてる。

海から吹く風は、半乾きの洋服を着た
私達には、ほんの少し肌寒く感じる。

ひさぎは鞄の中から洋服を取り出した。

「これ、着るといい」

「うん、ありがとう」

ひさぎから渡されたのは、ガーゼ素材の
赤チェックのロングカーディガン。

制服を隠してくれるデザイン。

「これ、脱いだほうがいいかな」

雨水を多く含んで、まだ濡れてるベスト。

「そうだな・・・貸して」

私は、ひさぎにもう一度カーディガンを
持ってもらって着ているベストを脱いだ。

濡れた制服の白いブラウスが、私の体に
ピッタリとくっ付いて透けていることに
など私は全くお構いなしに脱いだベスト
を両手でギューッと絞った。

水が、出る出る。