立ち止まるなぎは見つめる。

「ひさぎ?切らないで
 貴方に逢いたい・・・」

なぎの瞳には、傷ついて
ボロボロのはずの千歳が
とっても綺麗に映る。

本当の恋を知った千歳は
泣き顔でさえ、あんなにも
美しく輝いてる。

来た道を戻る、なぎに届く声。

「ひさぎ

 今すぐ逢いたいよ」

必死に叫ぶ、千歳の声が
なぎの胸を打つ。

なぎの心に火をつける。

真実から・・・

「私も逃げてちゃいけない」

決心を胸に、家へと歩み出す
なぎ。
 

真実なんて

この際どうでもいい。