恋しいよ、ひさぎ。

『貴女が心から望むならお前の
 望むままに進みなさい』

私が、心から望むもの

それは、ひさぎ・・・あなた

千歳・・・

本当にこのまま、ひさぎと
別れていいの?

何も話さないまま、終わるの?

「いや、そんなの
 ぜったい、いや」

私は立ち止まり、携帯電話を
操作する。

バイクのエンジン音

スピードを上げ、颯爽と街を
走る貴方に私の声

届きますか?

「お願い

 お願いだよ、ひさぎ

 電話に出て・・・」

「チト・・・」

千歳を追いかけて来た、なぎ。

電話をかける千歳の姿を見て
声をかける事をやめた。