「愛・・・
 
 どうでもいい」

俺は、何度も何度も
首を横に振る。

吐き気は治まり、俺は
携帯電話を取り出す。

画面には、千歳の文字。

発信しようとした手を止める


逢いたくても

お前には逢えない


さびしい・・・


行く宛など、どこにもない。

帰る場所、どこにもない。

ヘルメットを被ったひさぎは
バイクに跨り、走り出す。