「リホのことか?」

私は、視線を逸らした
まま答える。

「ちがう・・・」

「俺の目、見て
 答えろ」

怒らないでよ・・・

「おこらないで・・・
 言えないよ」

「怒ってねえよ
 ・・・
 
 言ってみろよ」

どうして・・・

「ひさぎは、まだ
 彼女の事好き?」

「何の話だよ・・・
 前にも、話したよな?
 
 リホとは
 もう終わった話だ
 今日だって偶然・・・」

「じゃあ、彼女の事
 名前で呼ばないで」