「いつか私たちの関係が
 ヒサ兄にバレたら
 ユウさん、殺されるよ」

シャツのボタンを留める手を
止め、なぎを抱きしめる男性

「ヒサギに殺される覚悟なら
 とっくにできてるさ」

「その時は
 私も一緒に死んであげる」

お兄ちゃん、泣かないで

泣かないで・・・

幼いひさぎの瞳から

零れた涙は

今の、ひさぎの頬を濡らす。

この道を、まっすぐ
突き当たれば祖母の待つ
家に着く。

「ひさぎ、ありがとう
 もう、ここでいいよ」

放すのを拒むように、貴方は
私の手を強く掴んだ。