貴方は、私の愛の告白に
照れて微笑み、二度頷いた。

そして、私が翳した手に
甘える。

『・・・・・・捨てるの?』

ひさぎの脳裏に、ふと
浮かんだ、幼い自分の姿。

遠い記憶・・・

深い悲しみ・・・

貴方は、そっと瞳を伏せる。

何かに、囚われていく・・・

「ひさぎ?」

貴方の瞳、どんどん
悲しみ色に染まっていく。

悲哀に満ちた狂おしい瞳で
貴方は、私を見つめて
私に、乞う。

「チトセ、お願いだ

 俺の傍に居て・・・

 俺を、捨てないで」