誰かが、ぬいぐるみごと
この私を抱きしめて
くれている。

誰か・・・貴方・・・

「ひさぎ、くるしい・・・」

「苦しいのは、俺の方だ
 このバカ・・・

 お前
 いなくなって、焦ったぁ」

「ごめん、なさい」

ひさぎに抱きしめられて
いるのに、なぜか貴方を
近くに感じる事ができない。

それは、ぬいぐるみを間に
挟んでできた二人の距離が
原因。

「こいつ等、邪魔だな
 貸して?」

貴方は、二つのぬいぐるみを
掴み、私の背中に腕を回す。

私の背中に、ぬいぐるみの
感触・・・

私の胸に、貴方のぬくもり