~杏 side~

「ねぇ、ハル!あたしら同じクラスになれるとイイね!!」

「うんっ!」
あたしが言うとハルは元気よく返してくれた。

あたしは『涼宮 杏 すずみや あん』。
ハルは『種田 春 たねだ はる』。
ハルはあたしの親友。
今日からあたし達は中学1年生になる。


ガヤガヤ・・・
「いっぱい人いるね~」

「うん、あ、ウチらの席ココだよ!?」

「ホントだ!すわろっか?」

「うん。」

あたし達は体育館のパイプいすに座った。

「今から始業式を始めます。礼っ」

――――――――…

「校長しきじ」

校長先生が舞台に上がる。
意外と・・・やさしそうだなぁ・・・


「――――――――――――…以上で話を終わります。」
長~い、校長先生の話が終わった。

「ふぅ、やっと終わったね、ケツいてぇし」

「あははっ、確かにっ!!」

ハルはお尻をさすさすさすっていた。

「そーゆーのは人前でやらないのぉ!!」

「はいはい」

そんな他愛もない会話をしていたらクラス表のところに着いた。

「あっ、ウチ6組!!杏いないよぉ~・・・」
さびしそうにハルが言った。

「あっ!あたし、2組!!」

「えー全然違うじゃ~ん・・・!やだー」
と、ハルがあたしの肩をゆする。

いやいや…あたし知らないからね?

と、心のどこかで思っていた。

「あ、春?」
後ろから男の声が・・・

「あっ、月夜~」

月夜は『杉浦 月夜 すぎうら つきや』。
ハルの彼氏。

「俺ら・・・同じクラスだから・・・」
と、言い月夜は下駄箱に行ってしまった。

「聞いたーー!?」
デカ声でハルが言ってきた。

「やったぁ・・・月夜と同じだって・・・!」

「よかったね~」
あたしは無理やり笑顔を作り、一緒に喜んだ。