新しい環境に
期待すればする程、
不安が大きくなる。

「友達出来るかな…」
聞こえるか聞こえないか
ぐらいの小さな声で
そっと呟いた。

ふと時計をのぞくと
針が8時になる
五分前を記していた。

「え!遅れそう…
急がなきゃ!」

鏡の前で
ワックスを少量手に取り、
髪に交じわらせ
軽くセットする。

そして、
鏡の前で笑ってみせた。

「…よし。
頑張れ、自分っ!」