今年もまた騒がしくなりそうだ。


―…コツン!

「痛っ!!何すんの!!」

「何って?お前の頭に消しゴムが当たっただけじゃねーか」

こいつは黒沢慶祐(くろさわけいすけ)。
ただの友達。
で、あたしは高下麗依(たかしたれい)。
よく短気と言われる。

ちなみにあたしたちは高校2年生。


新学期早々この短気なあたしに慶祐は喧嘩を売ってきやがった。

「あんたが投げたから当たったんでしょー!?」

「お前の頭がデカいからだろ??」

「お前の頭の…」

「もうやめなよ」

この子は西澤結伊(にしざわゆい)。
いつもあたしたちの喧嘩を止めてくれる。
優しくて可愛いのであたしの憧れでもある。

「…はぁい」

「ふっ。」

「鼻で笑うな!」

「まったくもう…」

「ほらぁ、結伊にあきれられてるぞ~」

「…」

くそっ。
絶対なめられてる。



―放課後―

「結伊っ。一緒に帰ろ?」

「いいよ」