椅子に座って、彼女が入れてくれたお茶を飲みながらシュークリームを食べていた。

スゴく美味しくて幸せな気分。疲れも少し取れた気がしてきた。

彼女と今日のライブの事や仕事の話しをしたり。そんなに親しいワケじゃないから…プライベートな事は聞けないんだけど

あたしは少し聞いてみたい事があった。

「ね、突然こんな事聞いても気を悪くしないでね?」

「なんですか?」

「仁奈ちゃんは…好きな人とか…彼氏とかいる?」

「えっ?あー…いますよ」

少し躊躇いがちに、でも正直に答えてくれた。

「付き合ってるの?」

「はい」

「そっかぁ…」

「セリカさんも彼氏いるんですか?」

「ん?いや…あたしは…………いないけど」

とっさにウソをついた。ダメじゃないんだけど…。彼女は正直に答えてくれたのに後ろめたくなった。

「じゃ好きな人がいるんですか?」

「うーん…そうね。ねぇ、あたしみたいな人は恋愛しちゃダメかな?」

「え?どうしてですか」

「仕事もあるし…恋愛するのはタブーみたいな気がして。仁奈ちゃんはどう思う?」

「人間なら誰かを好きになったりって当たり前じゃないですか?ダメだなんて全然思いませんよ!」