『良かった。喜んでもらえて』

そう言って微笑む虎の姿がガラスに映って見える。

あたしの大好きな人…

ガラスに映るその姿にそっと触れようと手を伸ばした時…彼はあたしの右手の薬指に────

指輪をはめた。


『えっ…こ…これ…』

可愛いピンクゴールドの花をモチーフにしたような指輪。

『プレゼントだよ。少し早いけど…もうすぐセリカの誕生日だろ?』

『ウソ…何で知ってるの?』

『言ったろ?ファンだって』

『だけど指輪のサイズまで?』

『オレ、意外にセリカの事知ってるんだよ?好きな食べ物とか好きな音楽。どんな風にキスするとか───本当の名前は'瀬里香'って漢字だって事も』

『虎…』

あたしは振り返った。まるであたしを包み込むように彼が立ってる。

優しい笑顔…どうしようもないくらい




    '好き'



スゴく好きすぎて、どうしたらいいかわからない。

あたしは虎に抱きついた。彼もあたしをギュッと抱きしめる。

そして囁くの

『愛してる…瀬里香』

『…うん』

溢れ出した涙は止まらなくなった。

こんなに人を好きになる事ができるなんて

奇跡みたい

『いつか…結婚しよう瀬里香』