また森島さんから。

〈メールならしてもいいかな?〉

そんなメールだった。

あたしは泣きながら電話した。

『もしもし、セリカ?』

──あの優しい声

「うん…」

少しの涙声に彼が気づいた。

『もしかして泣いてる?』

「うん…」

『ゴメン…キスした事やっぱりショックだったんだよな…でもオレ本当にセリカを好きになってセリカのファーストキス奪いたくなっちゃったんだ』

「そういう事じゃないの…」

『え?』

「だって…初めて好きになった人にあたしから初めて連絡しようと思ってたのにぃ…も…森島さんが電話もメールも【初】を全部奪っていくんだもん…ズルイよ」

『え!?ゴ、ゴメンなさい。そういうの大事にしてたんだ?…って、え?どういう事?!好きになった人って…』


「あたしも森島さんが…好きになったの…」

『ホント!?マジ?!や…やった!いいの?オレなんかで…彼女になってくれる?』

彼の嬉しそうな声が聞こえる。

「──うん」

『オレ、すごく大事にするから!…好きだよ、セリカ』

携帯電話越しに言われた言葉は

あの時のよう

今も耳元で囁かれてるみたいだよ。

──もっと言って


好きって…