「ごめんなさい…ごめんなさい…あたし…どうすればいいんだろう」

「人に聞いてやるんじゃ意味ないよ。〈自分がどうしたいか・どうすべきか〉考えなきゃダメだ。まるで自分の意思がないみたいだよ。本当に反省したいならわかるハズだろ?」

「うん…」

まず、何を──?
答えは自然に出てきた。

「マンションに戻って龍之介に謝る…琉嘉にも謝る」

「もし許してくれなかったら?」

「土下座してでも許してくれるまで謝る。謝り続けるよ」

あたしは彼にも頭を下げながら言った。

「わかってんならいいよ」

そう言ってあたしの頭をなでた。
その優しい手に、今までの苦しみが溢れ出して、あたしは泣き崩れた。

「うぇぇぇぇん…!」


鷺沼さんはあたしに胸を貸してくれて
あたしは泣き続けた。

ずっと苦しかった。
虎之介に裏切られたあの日から

誰にも寄りかかれずに苦しさを持て余してた。

だけど違うんだ。

本当は周りにたくさんの人がいて
琉嘉や鷺沼さんや…遠藤さんだって、ずっとあたしに手を差し伸べてくれてたのに

気付こうともしなかっただけ。
迷惑だとさえ思うくらい自分勝手で

誰も居ないと思っていたのは自分のせいなんだね…