悪い事をしたのはわかってる。第三者にバレている事がどんなにマズイ事かって事も。

そしてゴシップネタ…

あたしが外出するのは危険だって事。
万が一この場所がバレたら?

赤ん坊が居るって事がバレたら?

あたしは世間に顔が知られてるんだ。もっと自覚しなきゃ。

琉嘉はあたし以上に深刻に考えていた。

「もう記事になっちゃったのは仕方ないけど…しばらく外出しないで」

「うん…そうする」

「買物は私がするから。わかってるわよね?自分が何をしてるか」

「ん…」

とりあえず琉嘉は気づいてない。鷺沼さんの事…それに少しホッとしながら、その話しは終わりにした。




翌朝も琉嘉は仕事に行く前に何度もあたしに念を押した。

「ホントに一歩も出ないでよ!」

「わかってるって!早く行ったら?遅刻するんじゃないの」

「…じゃあね」

琉嘉があまりにもしつこくて、あたしはウンザリしながら適当に答えた。

写真撮られた事は迂濶だったと思うし反省してる。でもちょっとウザくない?

そんなに言わなくったってわかってるのに!

あたしはイライラしながら遠藤さんに電話した。

もちろん…記事の事を抗議する為に。