少しの間
心の奥にしまいこんだ『母親への想い』って感情を、ちょっとだけ引っ張り出していた。

しばらく泣いて…また隠す。

もう止めよう…
何度も悲しい思いをしてきたんだ。

何度もそう思って何度も閉ざした事を、また何度も思い出すのは私がまだ子供って事かしらね?

自分自身に呆れながら涙を拭った。

龍之介が変な顔をしていた。…わかるのかな?私の心の動揺が。

「ゴメンね!もう泣かないからね。龍!お腹すいたでしょ」

そう言いながら私はミルクを作り龍之介に飲ませた。

哺乳瓶にもすっかり慣れたみたい。相変わらずいい飲みっぷり!

飲み終わった所で'龍之介ノート'にミルクの量を書き込んだ。

「あれ?」

ノートを見ると、飲んだ量がバラバラだ。

私が飲ませる時はいつも全部飲むのに?

半分しか飲んでない時もある。そりゃそういう時もあるけど…それにしちゃ頻繁すぎない?

…セリカが飲ませるの苦労してるせいかしら?
体調も悪くなさそうだし…平気か。

少し気にはなったけど問題ないだろうと判断して、私はそれ以上考えなかった。

それから数時間後。夜の七時くらいになってからセリカが戻ってきた。