──もうこれ以上、あの人のコトバを聞きたくないの!

私は一方的に電話を切った。

…母親と、かろうじて繋がっていた電波は切れている。

無音になった携帯。
なのに…母親の声が頭の中にコダマするのと共に

私は涙を流した。


最悪な母親。血の繋がった母親なのが許せなかった。

子供の頃に感じた憎しみの感情が溢れてきた…いつか殺してやりたいって思うくらい。

私は涙を拭い、マンションへと急いで帰った。







結局眠れずに、布団の上でゴロゴロしてただけ。

気分はスッキリしないし…すっかり感情を持て余していた。

真夜中。隣の部屋から龍之介の泣く声が聞こえてきた。

数分経っても…セリカが起きる気配がない。

疲れちゃって起きられないのかしら?

そう思って、私は起きて隣の部屋へ行った。

セリカは寝息をたてて眠ってる。

…昼間、よっぽど大変だったみたいね、

私も龍之介をかまっている方が気が紛れるかと思って、龍之介を抱き上げ

自分の布団へと連れて行った。

ミルクを飲ませたり、小言で話しかけたり。龍之介はすぐ笑顔で応えてくれた。


こんなに可愛いのに…どうして私の母親は私を愛せなかったの?