私は考える前に頭に浮かんだ事を聞きまくっていた。

電話の向こうからため息混じりに返答がある。

『…番号は、おばぁちゃんから聞いたのよ!いちいちウルサイ子ね。用がなくちゃ電話しちゃいけないの?』

「今まで連絡一つよこさなかったくせに!なおさら用があるんだと思うじゃない」

『多少、用があるのは確かだけどね。どう?元気にやってるの?看護師なんだってね』

「それもおばぁちゃんに聞いたの?娘の近況を誰かに聞かなきゃいけないなんて親としてどうなの?」

母親は…話しをしようとしてたのかもしれない。だけど私はそんな母親にムカついていた。

『まったく…アンタは子供の頃から変わらないわね。そうやって自分の事ばかり』

「…悪かったわね」

アンタの娘よ!
自分だってそうじゃないの!

『まぁいいわ。それより琉嘉に頼みがあるのよ』

「なに?」

『お金貸してくれない?』

「はぁ!?お金?!」

『そう。200万でも300万でも持ってるなら貸してくれない?』

そのコトバに私はキレそうだった。

数年間、音信不通だった母親が連絡してきたと思ったら───…


どういう神経してんのよ!