自分がどれほど甘く考えていたのか分かる。

そうだよね…まさかこのマンションに連れてくる訳にもいかない。ハッキリ言って、あたし赤ちゃんの面倒なんか見た事ないし。

よく考えると『マジで赤ちゃん育てられるの?』って自分に言いたくなるくらい、自分でも不安になる。

琉嘉が考えてくれて良かった…。
ここまで考えてくれて、さらにマンションまで借りてくれたんだもん。

あたしの中で、まだ彼女の存在を疑っていた。ノコノコ病院に言ったら警察がいて

'あたし捕まっちゃうんじゃないか?'

って思ってたけど…

多分、小西琉嘉は信用できる。

そう思って、あたしは琉嘉の立てた計画、手順を一生懸命聞いた。

その間に琉嘉が聞いてきた事。

『…セリカ、本当に後悔しない?』

『しないよ』

あたしは即答した。

だって本気になってるんだもん。多少躊躇しても'止めよう'なんて考えないよ。

止める事を考えるくらいなら、最初から断るし。

『私もしないわ…必ず成功させよう』

琉嘉もそう言ってくれて、ますます後戻りは出来なくなった。

あたしの携帯電話の六番目のメモリーに登録された琉嘉の番号。

今、彼女だけがあたしの味方なの…