「何言ってるんだ?もう、俺達は終わったはずだろ?」

正己は呆れたように言った。

この言い訳がリアルだったら、私だって呆れちゃうわよ。

ストーカーじゃないんですからね!

別れた男のトコに、恋しくなってコッソリ会いに行くような女でもないし!

心の中で『違うの』って思いながらも、今の状況から上手く逃れる為に嘘つくのも仕方ない…

私は彼の肩に手を置き小声で呟いた。

「正己の身体が恋しくなって…なんて言ったらどうする?」

「…どうもしねーよ」

「ずっと週二くらいで正己とSEXしてたでしょ?いきなり止めたから…身体がウズくのよ」

わざとらしく笑いながら言った。

「…俺以外のセフレでも探せよ。お前の身体なら…誰だってヤりたがるぜ?」

「そうね…気持ち良ければ誰としたって構わないしね」

「俺は…もうお前を抱く気にならないから」

…念を押されちゃった

そんなの分かってる。

駆け引きすら出来ない。

私は窓を締め、靴を履き正己に背を向け言った。

「嘘よ…冗談。貴方の姿が見えたから言ってみただけよ」

「本当か?」

「ええ…仕事戻るわ」


私は彼に背を向けたまま仕事場へ戻った…