「とりあえず考えてたのは一ヶ月20~30万くらいだけど…場合によっては、もう少し出せるわ」

「あ―…どれくらいの期間ですか?ちょっと高い気もしますが…」

そう言って男は物件を探しながら、いぶかしげに私の顔や服装、持ち物や身につけている物をチェックしていた。

怪しい客だと思ってるに違いない…

当然、私は予想して来ていた。水商売の女に見えるようにブランド物を身につけている。さらに私は演技を続けた。

「気に入らなければ一ヶ月くらいで出てもいい所ってないかしら?」

「実際、住んでみると違うって事ありますよね?」

「そうなのよね~。私もこの仕事は結構長くやってて、地元ではかなり稼いでたんだけど一度東京で頑張ってみたくてね…」

「そうなんですか~あ、こちらなんかどうですか?」

そう言って見せられた三軒の物件を細かい所までチェックする。

色々選びたいけど…時間もないし場所の良さそうな物件をチョイスした。

「ここ、見せてもらえるかしら?」

「いいですよ」

私はそのマンションに連れて行ってもらい、マンションの中はもちろんだけど

マンションの外もチェックした。

「…いいじゃない。ここにします」