この前の撮影の報酬はなかなかのものだった。

私の欲望を満たしてくれる上に、お金も手に入るなんて。簡単にやめられないビジネスだわ…

終わるのと同時に訪れる虚無感さえなければ最高なのに──
──そう思いながら


今夜もいつもの場所で彼らと楽しんでいた。

終わると、また正己が報酬をよこす。
私は金額だけ確認して、財布の中にしまった。

…まるで風俗だわ

そう思いながら早々に帰る支度を始めた。

「じゃ帰るわね、正己」

「あ、琉嘉。明日の夜は空いてるか?」

「明日?平気よ」

「明日は久々に二人でしないか?」

思いがけない正己の誘いに驚いた。

いつもは約束なんてしないのに?
確かに最近は三人でする事が多かった。

正己も満足できなかったのかもしれない。

断る理由なんかない。当然、私は頷いた。

「いいよ。じゃまたね。西村くんもお疲れさま」

「ん。またね琉嘉ちゃん」

仕事が終わったような気分で家に帰る。これもいつもと同じ。

こんな非現実的な生活も、私にとっての日常になって…ずっと続くような気がしていた。

翌日、正己と約束した通り私は彼の待つ診察室へ向かった。