『西村』は慣れた風に私に色々質問していた。

殆ど雑談に近い。

正己は隣でカメラを覗いていた。

…変な感じ。
この雰囲気で、そういう事が始まるような気にならない。
まるで…このまま酒でも飲みそうな感じだった。

愛想笑いはしていたけど、つまらなそうな顔の私に気付いたのか、彼は話しを切り出した。

「触ってもいいかな」

私は無言で頷く。
彼の手が伸び、私の耳に触れた。

彼の冷たい手…
そのまま首に手をかけ私を引き寄せ、キスをしてきた。

「…!」

──キス…してる…

そのキスに違和感を覚えたのは、今まで正己とはキスをしなかったから。久々の唇の感触…

特別、良いわけではないけれど…彼の唇や舌に応えた。

そのまま服を脱がされ行為が始まった。

夢中だったのか、頭がいっぱいだったせいかはわからない。何がどうなって今、自分が裸なのか思い出せなかったが

彼はカメラに向かって私の全てをさらけださせている。巧みに指を使い私をヨがらせて

意識は麻痺していた。恥ずかしいとか思わない。

正己はカメラを構えたまま、私達を見ていた。

──ねぇ、どんな事考えながら見てるの?

少しだけ正己の頭の中が気になった。