──何故、正己と
こんな関係になったのか。

大して昔の事でもないのに、忘れちゃうくらい『何となく』って感じだった。

私の正己を見た最初の印象は
『頼りになりそうな先生』って感じ。
まだ勤め始めたばかりで、職場にも他の職員にも慣れてない私に親切に教えてくれたし…

だんだん多少の好意を持ち始めていたのを覚えている。

それは今、振り返ってみても『好意』ってレベル。その気持ちが恋に育つ事はなかった。

そして私達は自然と仲良くなり──と言っても恋じゃないのだから、友達みたいな感覚。いいお兄ちゃんって感じにも近いかな?──どちらから誘ったワケでもないのに二人で飲みに行く事になった。

携帯で連絡を取り合い、誰にもバレる事なく待ち合わせしてBarで飲んだ。

もちろん楽しかった。彼とは話しをしても楽しかったし。恋じゃなくても一緒に遊んで楽しい人っているよね?

三時間程、飲んで──二人共かなり酒が回ってきた頃

何となく…やっぱり、どちらから誘ったって訳でもなかったけど

私達はHotelへと向かった。

もちろん行けば身体の関係を持つ事になるとわかって了解した。後悔はなかったし、深く考えるような事でもなかった。