あの後は、伶央もわたしも何も話さずただただ黙々とお弁当を食べた。
気まずい!今の状況で後残りの時間を乗り切るには、非常に厳しい!
まだよ!まだ、諦める時じゃないわ!
愛菜実!次こそは、引かれないような作戦をっ!
「あ!伶央!今日ね。わたし卵焼き自分で焼いたの!た、食べる?」
自分の卵焼きを掴み、伶央の口元まで持っていく。
伶央は、しばらく動かなかったがやがて口を開きパクっと食べてくれた。
「ど、どお?」
少しオドオドしながらになったが、伶央に感想を求めた。
「ん。うまいよ。」
料理がまったく出来ないわたしが、この間やっと習得した卵焼き。
それを食べて、美味しいと言ってくれたのは伶央が初めてで凄く嬉しくなった。