「春斗!!!何やってんの??!!」






教室の前の方から耳を塞ぎたくなるほどの大声。





一瞬の出来事だった。






「あ…」






まさか






横山くんの彼女の「優花」に






見られちゃうなんて。






「春斗!!なんで?!なんで優奈とキスなんかしてるの?!春斗の彼女は私なんだよ?!優奈も最低!!約束したでしょ?!春斗を好きにならないって!!!」





目に涙を浮かべて泣き叫ぶ優花。






私最低だよね。






でも仕方ないじゃん。






好きになっちゃったんだもん。






「なんだよ優花。別にキスなんかしてねえよ」



横山くんは私から離れると低い声で言った。



「してたじゃん!!どっからどう見たって!!」



優花が横山くんの方に駆け寄る。



私はただ黙って見ていることしかできなかった。



優花の怖いくらいの迫力に足がすくんで動けない。



「してねえって。なあ優奈ちゃん??」



「え…」