「始め、美姫ちゃんは俺のヒーローだった。

ピンチの時に現れて、何気ない顔してスパッと助けてくれる。

俺は憧れの眼差しで美姫ちゃんを見てた。その内捕まるのも楽しくなってた。だって必ず美姫ちゃんが俺を見つけてくれるから。」



まぁスッゴい情けないけどね、と先輩は自傷気味に笑う。




「でも、その内、美姫ちゃんと居るだけで楽しくなった。

少食そうなのにやたら大食いだったり、

いつもチョコパフェだったり、

スッゴい険しい顔で食べてるのに顔にクリーム付けてたり。


悪態付きながらも俺の話を最後まで聞いてくれたり、

前を歩きながらもチラチラ俺の事確認してくれたり、

ため息つきながらも夜遅くなろうとも、絶対見つけ出してくれたり。


言わないけど、俺が捕まったらまず、どこも怪我してないか確認してくれてるでしょ。

どこも怪我していないかぁ~、よし。てな感じで、そこからいつもの小言が始まって…。

知ってる?美姫ちゃんってスッゴい優しいんだよ?めちゃくちゃ優しいんだよ?」






「それ褒めてるんですか、けなしてるんですか。」




もう充分だった。
美姫は少しだけ涙を流しながら、顔を更に赤くし、軽く悪態をついた。



「後、美姫ちゃんはスッゴく可愛い。

それはもうデロッデロに可愛い!

もう今となっては動き一つ一つが可愛い!

顔とかじゃなくて、あ、いや、顔も好きだけど、もう、ちょっと笑ってくれるだけで俺すんごい幸せなの!目が合うだけでドキドキなの!」



「先輩っ?!ちょっ!///」


ギャーっ!////
だからもう充分ですって!///


崇城先輩の乙女発言はエスカレートするばかり。



「それでね!それでね!美姫ちゃんの腕はプニプニしててね…っ!「分かりましたからもう黙って下さい!!」


これ以上言われたら、恥ずかし過ぎて私が私じゃなくなってしまう。



美姫は純一の制服をひっぱり、自分の唇で、無理やり黙らせた。