更衣室から外へ出る。

「お疲れっす…。」

「ん?あ、はあい。お疲れゆうちゃん。」

年配の上司に見送られ

ファミレスの入口を開け外に…。

「…ちっ。雨か…。」

空が曇ってる感じはあった。

けど曇りガラスのせいか

雨が降ってるのまでは確認できず…。

傘も何もない。

仕方なく雨の中を歩いて帰ることに。

「はぁぁぁ…何かついてねえな…。」

俺は和也を想った。

俺の恋人…まだ見ぬ愛しい人…。

今はまだネットで繋がっている。

「会いてえ…。」

そんなことをボソッとつぶやいてみた。

俺は一人暮らし。

和也と知り合ってからは

本当に毎日が楽しいと思うように

なっていた。

ただメールをしているだけで

相手の顔などろくに知らない。

それなのに

愛している…俺は変なのか?

「…あ?…。」

雨が酷くなってきた。

勢いを増し、あっという間にずぶぬれ。

「くそ…。」

俺はダッシュでアパートに帰った。



階段を上がって

家の鍵を開け、家の中に入った。

バタンと閉めると…

髪から水が落ち身体中に悪寒が走る。

「寒っ…。」

靴を脱ぎ風呂場で髪を拭いた。

早く話がしたい…。

俺はパソコンのスイッチを入れる。

起動するのに2分ほどかかる。