12時半が過ぎると

俺の勤務時間は終わる。

30分間は更衣室での着替え時間だ。

「お疲れっす…。」

「おう、ゆう。お疲れ。」

同じバイト仲間で俺より4個上の先輩

「お前さ、彼女とか居る?」

「…まあ…居ます。」

本当は彼女じゃなく彼氏何だけど…。

何か言い難いと思って…。

「ふうん。写メとかあんの?」

「ないっすけど…。」

「付き合ってまだ3日とか?」

「何で3日…いや今日で丁度1週間っすかね。」

「へえ。まだ浅いんだな。」

「はあ…。」

この先輩は人の彼女を寝取るとか…

そんな変な噂がある。

俺の彼氏は、女の子みたいな子らしく

よく間違われるって言っていた。

そんな子でも寝取るのか?

「なあ?」

「はい…。」

「写真とかあったら見せろよな。」

「…写真?」

「お前の彼女だよ。いいな?」

そんな権利、あんたにはないだろう…

そう思った。

どんだけ見たいんだよ…。

「気が向いたら…見せます。」

「いいや、絶対だぞ。んじゃお疲れ~。」

更衣室をバタンと閉め出て行く。

4個上つっても、働き始めたのは

俺より5日早いってだけだ。

先輩気取りをするその態度が

俺は気に入らない。

新人ってことに変わりはないくせに

5日ぐらいで威張りすぎなんだよ。

「…帰ろ…疲れた。」