家に入り…リビングに行く。お母さんがご飯を作っているところだった。
「あ、るりお帰りー!もうすぐご飯できるわよ!」

「あ、お母さん…あたしの分ちょっとへらして」

「じゃ俺の増やしてよ母さん!」

兄ちゃんが言う。

あたしの家はお母さん、大学3年のゆりか、高1の和也、で、中3のるりの4人家族。

お父さんは…いない。多分離婚。もういないのが当たり前になってきていて、兄ちゃんと姉ちゃんがバイトして家にお金を入れているんだ。

って…どうでも良いか。

シャワー浴びてこよっと。


ザーッ…
失恋した傷を洗い流すかのように、あたしは体を洗った。ひりひりしてきたから洗うのをやめて、湯船につかった。

「痛っ…」
思った以上にお湯が熱く、あたしはちょっとつかってすぐ出た。

スウェットに着替えてベッドで横になっていると、横にあるケータイがなった。
大好きなアーティストの曲。

時間を見ると夜の11時。着信相手は…あかり。
さっきの連のコトバを思い出して、ちょっと憂鬱になったけど仕方なく出た。

「…あかり??」

『ちょ、るり、綾香知らない??』

「綾香…?」
さっき、家の前で見た光景を思い出した。

『…綾香、帰ってないみたいなの。今、綾香のお母さんから電話あって…』
頭を殴られたような気がした。まさか…

綾香は夜遊びは絶対しない。お泊りとかするときも、絶対電話する。以外、絶対夜は出歩かない。中1のときにいろいろあったって聞いたけど、そのときはまだ仲良くなかったし、詳しく教えてくれなかった。

「…あかり!!!綾香がやばい!!」

『え?何?なんか知ってるの!?」

「説明してる暇ないから…公園に来て!!裕次くんも!!」

あたしは一方的に電話を切り、1階に下りた。