「合気道だっちゃ。」


「こういう時の護身術か。」


「違うっちゃ!!」


「はっ?」


「熊の護身術っちゃ!!よく熊が出たから。」


私がそう言うと、要は目を丸くした。


「人間じゃなくて動物の護身術かよ…ハハハッ。」


要はいきなり声を出して笑った。


「何が可笑しいんだっちゃ?」

「普通、人間の護身術だ!ヤべっ笑い止まんねえし。」


要は、ずっと腹を抱えて笑っていた。


その顔がいつもの余裕な顔とは違い、無邪気な笑顔で少し可愛いと思ってしまった。