「私も、ごめんなさい
 
 貴方の怒った顔や

 悲しむ顔が

 見たかったわけじゃないの」

人が行きかう中

二人は口づけを交わす。

その様子を、路上駐車している
車から見つめている男がいた。

「カシラ、さっきの女の子
 じゃないですか?
 一緒にいるのは・・・」

「高月組、三代目組長
 
 親父が、兄弟の盃を
 交わしたいと熱望する男
  
 あの子は、組長の」

車がエンジンをかけて走り出す
のと同時にお店から、朱莉が
血相を変えて出て来た。

「イオリ、ごめんなさい
 私が、彼女にお願いしたの
 人手が足りなくて・・・

 ごめんなさい」