「ありがとうございます」

ショールを受け取った菫は
急いで店内に戻って行った。

「カシラ、今の人
 綺麗な人でしたねぇ」

「ああ、あの店は確か
 高月組の・・・」

外の空気を吸った事で
気分の悪さも落ち着いた私は
いつもどおりにお酒を飲む事
ができ、それなりに、お客様
の相手もこなしていた。

「ママ、新人のユカリちゃん
 このまま、この店で働いて
 もろたらどないや」

「社長さん、この子は
 知り合いのママに頼まれて
 今日だけ預かっている
 見習いの身なの
    
 まだ、何も分からないから
 これから色々と教える事も
 多くて、お店に立てるのは
 もう少し先になるかと
 思います」

「そうかいなぁ
 それにしても綺麗やねぇ」