「はい」

私は店の外
ショールを肩にかけ
風にあたっていた。
  
赤くなった頬が
冷えていくのが分かる。

「気持ちいい」

そこへ、ヤクザ風の男が二人
肩で風をきって歩いて来た。

突風が吹き荒れて、菫の肩の
ショールが靡いて飛んで行く
のを、一人の男が
うまくキャッチした。

「ごめんなさい」

お辞儀をする菫の白い胸元
綺麗な鎖骨に

彼は目を奪われた。

そして、見上げて微笑む
菫に見惚れる。
 
「寒いだろう」

そう言って彼は、菫の肩に
ショールを優しく掛けてくれた