店内の照明や、場の空気に
酔わされて、大好きなお酒が
少しも喉を通っていかない。

全く興味も無い、意味の
分からない自慢話を只管
繰り返し聞かされても
笑い続けていなければならない
  
それが、こんなにも

苦痛だなんて・・・

何の役にも立てない
場違いな私がいた。

「シュリさん、すみません
 私、手伝うとか言いながら
 
 これじゃ
 足手まといですよね」
  
「そんな事無いわよ
 気にしないでね
    
 それに、誰でも最初はそうよ
 締め切った店内、場の空気に
 呑まれてしまうのよ
    
 今ちょうど、お客様も
 ひと段落ついたから
 少し店から出て、外の空気を
 吸って来てごらんなさい
 気分も変わるから」