まさか、朱莉さんの家に
私が居るなんて、貴方は
思ってもいないでしょうね。

今頃、貴方は

どうしているだろう。

あの場所から、逃げた私を
許してくれる?
   
浴室を出て、リビングに戻った
私は彼女に御礼を言おうとした
が、ちょうど今、誰かと電話を
している最中だった。
  
電話で会話をしながら、朱莉は
目配せでカップに入った珈琲を
飲むように教えてくれた。

私は、温かい珈琲を頂く事に
した。

「そう、娘さんが病気なら
 しかたないわね
     
 今日は、アイコも休みなのよ
 
 そうね、もし来れそうな場合
 はお願いするわね、じゃあ」

電話を切った彼女は、とても
困っているようだった。