『ん?』


呼ばれた名前に、一瞬止まってからまたキョロキョロする。

「こっちよ美海!」


『あ!』


ちょっと離れた所から少しぽっちゃりしたおばさんが駆け寄って来るのを見つけた。


「美海!久しぶりだねぇ!すっかりネェネェ(お姉さん)になってるさぁ!」


相変わらず元気な春子おばさんはお母さんの幼なじみ。


『お久しぶりです…』


「いや~ね!敬語なんか使わなくて良いさぁ~。あんたお利口だね」


お利口って…。