“ガヤガヤガヤ……“



すると遠くのほうから、いろんな音が聞こえてきた。




なんだろう?



柱の陰から覗いてみると、ロビーは多くの人たちで賑わっていた。




すごい人数…


でも、そりゃあそうだよね。



有名なコンクール。


親たちだけじゃなくて楽しみにしている人もいるんだよね。












『出演者、控室』


と書かれたドア。




私はその前で固まっていた。



いざ目の前にすると予想以上に緊張する。





「ふぅ~…」


軽く深呼吸をした。



心の中で“大丈夫”と唱えながら--




「…よし!」


行こう。



私はドアノブを回した。