「楽兄・・・・」



そう言いきった楽兄の横顔は今までで1番輝いているように見えた。





「うん・・・・」



いつも呑気でお気楽で…ずっと私に関わってくるからうっとうしいって思ったことは何度もあったけど
今は楽兄がいてくれてよかったって心から思えるよ。





「それで奏、頼みがあるんだ」



「うん。なに…?」









「実は・・・・

コンクールが終わったら奏のドレス姿を撮らせてほしいんだ!」









・・・はい?




「こんな晴れ舞台!
しかもピアノのコンクールとなっては写真を撮るのは当たり前だろ!?
本当は今すぐ撮りたいが、時間がないからなー」


楽兄は残念そうに肩を落とした。