まさかね…思いもしなかったょ。あたしがこんなに人を好きになるなんて…



明日からの新しい生活に、少しの不安と大きな期待…。
毎日の部活。
9月の体育大会。
11月には合唱際。
小学校にはなかったことが沢山ある。
新しい友達。
同じ小学校の子はほとんど同じ中学に上がる。
でも、他の学校もまざるから知らない子もいるはず。
あたしは、期待に胸を膨らませていた。
ただ、2つ不安なことがある。
1つは先輩。
目立つあたしは小学校の頃から目をつけられている。
教室までこられたことがあった。
たぶん、中学に入ったらそれだけじゃすまないだろう…ということ。
2つ目は…前にいた小学校と一緒になること…。
あたしが行く中学校は、生徒数約1000人近く。
あたしが、卒業した小学校とあともう2つの学校が入ることになる。
その一つの学校にあたしはいたことがある。
小学校1年〜3年の時、あたしはその学校にいた。
その時あたしは内気であんまり人と関わらない性格だった。
暗い。
だから、みんなからあまりよく思われていない存在。
それでも、優しい子はあたしと仲良くしてくれていた。
その子達はいい。
問題は、あたしの事を嫌ってた子達。
それと……3年生の時に好きだった男の子………



「おぃかっちゃん!松下林菜からバレンタインもらったんだろ?」
「はっ?」
今でも忘れない…。
冷たい目。
あたしの初恋は、小学生3年生の時だった。
めっちゃ美形の男の子。
白い肌。
真ッ茶色の髪の毛。
スポーツができて、頭もいい。
ただ…女嫌いだった。
女子とはほとんど話さない。
話しかけると、すごく冷たい目をする。
そんな子だった。
その子にあたしは恋に落ちた。
そして…バレンタイン。
わたしちゃった…チョコレート。
「林菜ちゃんかっちゃんにチョコレートわたしたの!?!?!?」
あたしを質問攻めにする女子達。
いつもは絶対話しかけてこないくせに。
「かっちゃんモテるなぁ〜」
かっちゃんを冷やかす男子達。
「はっ?キモいし」
嫌そうな顔のかっちゃん。ほんとに“ウザイ”って顔してたょね…。
それから2か月後。
あたしは隣の学校に転校した。