女の子のスローバラードを聞いていると進路を悩みながら野球をやっている俺とかぶった気がした。
そして心の中と耳の奥でずっと残った歌声。
「…すげぇ、、」
俺は無意識にぽつりと呟いてしまっていた。
『…ありがとうございました』
女の子は歌い終わると周りにいた人達に頭を下げた。
周りにいた人達は軽く拍手をしてから、また歩いて行った。
女の子はギターを片付けて帰ろうとした時に目があった。
そして女の子は小さく笑みを浮かべてから帰って行った。
「はは、、何してんだろー俺。寒いから帰ろ」
女の子の笑みと歌声を頭に残して俺は家へ帰った。