改札口を出て初めて見る景色に、あたしは辺りをキョロキョロ見渡していると


「ヒカリ!置いていくよ」


先輩に言われて慌てて駆け寄ると


「ほら」


手を伸ばしてくれた。


先輩の大きな手。触れる度にドキドキが止まらない。


ソッと握ると、ギュッとなって指を絡ませ恋人繋ぎになった。



「あっ…」


「なに?イヤなの?」


イジワルそうな瞳で聞く先輩に


「イヤじゃないです」


そう答えるだけで胸がいっぱいだよ。

どれだけ、あたしは先輩の事が好きなんだろう?



自分の想いを見れる計りがあればいいのに。


そしたら、これだけあなたが好きって。


先輩に見せる事ができるのにね。