先輩は、クスッと笑うとあたしの手を握りしめ


「じゃあ、行こうか」


ドキンとする笑顔で言った。


「はい」

照れながら言ったあたしの顔は、カナリの真っ赤だね。


「ヒカリ。こっち」


混み合う電車の中。先輩の腕の中に包まれるように電車に乗り込んだ。


動き出した電車の中。

あたしの鼓動はずっとバクバク鳴り響いて。


先輩に聞こえるんじゃないかって、心配になるぐらいだ。