だから…。

「先輩。あたし絶対に優花先輩の事を忘れさせてみせます」

もう一度、決意を込めて力強く言った。

どこからそんな勇気が湧いてくるなんて分からない。

これが恋の力なのかも分からない。


瞳を大きく見開いて、あたしをただ黙って見つめる先輩。

あたしは、そんな先輩に頭を下げると

「あたし、帰ります。また明日!」


それだけ言って、先輩に背を向けて駆け出した。

後ろから先輩の「あっ、ちょっ…!?」なんて声が聞こえてきたけど。


あたしは、そのまま振り返る事なく公園を後にした。


だって…。あれだけ大それたこと言って。


先輩の顔。恥ずかしすぎて見れないよ。