先輩の思いがけない告白から1週間が過ぎた。
先輩の、あたしを好きだと言った言葉は、もしかしたらあたしの夢の中の幻だったんじゃないのか?
何度もそう思った。
だけど、先輩の言葉は、夢でも幻でもなく。現実世界の本当の言葉だったみたいで…。
「待った?」
「いえ。いま、来たところです…。」
「そう?良かった。じゃあ、帰ろうか」
放課後のげた箱前の廊下。
ほんの数週間前まで、片想いの先輩をドキドキしながら隠れ気味に待っていた場所。
今は、隠れることなく先輩を待ち。
あたしを見つけて微笑んでくれる先輩と共に並んで歩く。
本当に現実だよね?
何度もチラチラと、隣に歩く先輩のカッコいい横顔を見上げて歩く。