「俺さ、アイツと別れてから無茶なことたくさんやったんだ…」

「えっ…?」


「好きでもない女と遊んで簡単にキスもした」


先輩の言葉にチクン…と胸が痛んだ。
だけど、先輩は言葉を続けた。


自分は酷い男だと。傷つけた女もたくさんいると。自分と付き合っても幸せになれないからと…。

「だから、俺なんかやめろって言ったんだ」


その為に、ワザと嫌われるような事をしたと話す先輩。

その表情は、悲しみに歪んでいて…数え切れない悲しみを背負っているように感じた。

突然去ってしまった恋人。

置いてけぼりになってしまった先輩の心。


先輩の心は多分きっと、今もその頃のままなんだ…気持ちの整理をすることができずに、苦しんでいるんだね…。